遠い日の思い出2005年12月03日 23時01分38秒

かなり昔、友達と一緒に、沖縄旅行をしたときの思い出です。

バスに乗るまでに時間があったので、海を見に行きました。

今では護岸ばかりになっている沖縄南部ですが、その頃は、どこにでも自然のままの真っ白い砂浜や岩場があり、美しい青い海を見渡すことができました。

私たちは岩に座り、うっとりと青い透き通った海を見ていました。

するとそこに、鉢巻きをしたオヤジが手押しの一輪車に生ゴミを満載して運んできて、美しい海に生ゴミをぶちまけたのです。
私たちはびっくりして声も出ません。
オヤジは何事もなかったように、空の一輪車を押して鼻歌を歌いながら来た道を戻っていきます。

こんなきれいな海に、生ゴミを捨てるなんて!
ひどい、ひどすぎる!
なんて悪い人なの!
もっとほかに捨てるところがあるでしょうよ!
あるでしょう!
あ、ある?
あ・・・。

私たちは気がつきました。
ここにはきれいな海しかないということに。

生ゴミを捨てるにふさわしい、きちゃない海なんかどこにもないのです。
観光客の私たちからすれば、「この世のものとは思えないほどきれいな宝石のような海」でしたが、生活している人からすれば、「海」でしかありません。

生ゴミを海に捨てるのは、まあまあオッケーだった、プラ容器なんかない時代の思い出です。