思い出のどひゃーな番組 ― 2006年03月09日 23時54分42秒
また、沖縄に来るずっとずっと前の、沖縄関連の思い出でございます。
「沖縄から放送」というテレビの公開歌番組があったので興味津々で見ていた。
復帰する前なのか、あるいは復帰直後なのかすでに定かではない。
NHKの「ふるさとの歌まつり」か何かだったのではないだろうか。
番組の後半、舞台に椅子が2つ置かれた。
正装した津軽三味線の人と、沖縄三線の人が出てきて座った。
それぞれの楽器の特徴が楽しく解説され、簡単な曲の合奏があった。
「では三味線対決です。まず津軽三味線の独奏をお願いします」と、司会者は言った。
その演奏を言葉で表現することはできない。
先ほどの合奏とは全然ちがう渾身の熱演で、迫力に心をつかまれてふりまわされるようだった。
子供心に心配した。
「ああ、沖縄のしゃみせん、負けちゃうよ。絶対負けるよ。こんな演奏聞いたことないもん」
素晴らしい演奏に、会場も大喜びの大喝采である。
次に沖縄三線の独奏が始まった。
それはそれはすごかった。
「なにこれー! 津軽三味線もとんでもなかったけど、これもとんでもない!」
甲乙つけがたいとかの問題ではなかった。
2つの演奏を味わえた幸運を、音楽の神様に感謝するばかりだった。
「会場の人たち、うれしいだろうな。沖縄のしゃみせんもすごくて」と私もうれしかった。
ほんとうにうれしかったのよ。
だけど、会場の人たちはもっともっとうれしかったのね。
それにあの演奏を聞いてじっとしていられるわけがない。
どんどんどんどん勝手に舞台に上がってきて、笑顔の人たちで舞台は満員。
身動きもとれないくらいの人数で、カチャーシーの乱舞になったのだ。
沖縄のお年寄りのカチャーシーは、実に美しい。
演奏でびっくりした上に、さらにカチャーシーにびっくりして、ぽかんと口を開けたまま、夜が更けていったのでした。
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