水たまりの思い出2006年06月17日 11時25分12秒

沖縄に来てから、馬齢をパカパカと重ねているうちに、「昔の沖縄はこうだったね~」的な話ができるようになった。

考えてみれば、その辺を歩いている超ミニ制服でお化粧バッチリの高校生や、原色のお揃い羽織でバカ丸出しの新成人よりも、私の方がうちなーんちゅ歴が長い。(バカ歴も長い・・orz)

ウルトラ団地に住んでからも長いので、初期メンバーの半分以上が交替し、長くいるご家庭では一世代スライドしている。

今ではアパートやマンションばかり建っている近くの場所も、引っ越してきた頃は何とも分類不能の空き地が多かった。

舗装もされていない小道を歩いていくと、空き地の一ヶ所にバスタブくらいの大きさの水たまりがあった。
計ったことはないが、案外深さがあるらしく、濁った水の中にグッピーが大勢暮らしていた。

一年中、その水たまりは枯れることがなかったので、湧き水だったのだろう。

宅地化が進み、小道も舗装された。
マンションがいくつも建ったので、水たまりがあった場所が、もうよくわからない。

舗装工事が進むに連れて、だんだん小さくなり、洗面器くらいになった水たまりが頑張っていたのを覚えている。

マンションの工事と共に、その近くにスーパーやスポーツジムができた。
かなり広い駐車場もコンクリートで整備された。

しかし。

駐車場の一角が、水浸しなのだ。

最初は、排水が悪くて雨がたまったのだろうと思った。
でも、晴れの日が続いても決して乾くことがなく、常に数㎝の水位を保っていた。

「あの水たまり、こっちにきちゃったんだ!」

空き地にあった水たまりと違って、コンクリートの水たまりは、緑のコケを生やしヌルヌルと汚らしい駐車場となった。

なんらかの手だてを取ったのか、別の場所でどんどん進んでいた工事のためか、ヌルヌル駐車場もいつの間にか乾いた。

では、あの水脈は、どうなったのだろう。
どこへ向かったのだろう。

一ヶ所工事をすると、思わぬ場所の水脈が変わる例は、私が知っているだけでもまだまだある。

山を削って、道路を造る。
削った崖をコンクリートで覆う。

地下水が崖から湧き出てくるので、工事がなかなか進まないのだという。
水抜きのパイプをたくさん突きだしたコンクリートの壁が、やっとできる。

そのすぐ横に、崖の地形を生かした(?)階段状のマンションが建つ。
そして、みるみる入居が始まっていく。


土砂崩れ現場で、傾いたわが家をなすすべもなく見つめる人たちの心痛を思うと言葉もない。

確かに大雨や地盤の問題もあるだろう。

それにプラスして、沖縄の大地(?)の下で豊かに流れているはずの地下水脈も、大切にしないとだめなんじゃないかな~と思う。あくまでシロート考えですが。