おじいさんのランパー2009年02月28日 18時23分28秒

昼寝の兄妹

ニャンギラスは大きくなりました。
おなかがぽんぽこりんで、手足が短くてシッポが太い。
この画像だと10キロ弱のぴぐモンより大きく見えますが、現在4キロ超です。
まん丸なので、抱っこすると非常に持ちにくい・・・。



2、3ヶ月に一度、離島から友達が泊まりに来ます。
那覇の病院に通院するために、飛行機に乗ってくるのです。

沖縄に来てすぐに勤めた会社で、彼女と知り合いました。
うちに泊まった次の日には、もう一人の友達と、3人でランチに行くのが常です。

3人とも、かつては「写植オペレーター」でした。
仕事の内容は、和文タイプの進化系って感じ?
活字を拾うのではなく、ガラス板に印刷された文字盤の字を一つ一つカメラで印画紙に焼き付けます。
カメラのレンズを取り替えることで大きな字、小さな字、斜体、など自由自在に作ることができました。
一度印画紙に焼いてしまったら、誤字を直すのが大変なので、集中力と根気がモノをいう仕事でした。
日本の印刷物は、写植オペレーターと和文タイピストが作っていたのです。えっへん。

今、写植機が動いている印刷屋さんが、日本にいくつあることでしょうか。
ワープロ、パソコンの普及と共に、あっけなく絶滅した仕事です。


3人で会うたびに、写植の話をします。

「私、刑務所に入っても写植をするんだなあ、と思って安心してたのよ」
「何で?」
「だって、刑務所って作業の時間があるんでしょ。大学の入試問題は、外に漏れないように刑務所で作ってるって、誰かが言ってたよ」
「だから何で刑務所に入るのよ」
「それは・・・まあ、はずみで」

会うたびに「まさか、こんなに早く仕事そのものが無くなるとはね」と笑ってしまう。


こんなとき私はいつも、小学校の国語の時間に習った「おじいさんのランプ」を思い出すのです。

電気が来たために仕事がなくなったランプ屋さんが、最後に店中のランプを湖に浮かべて、その灯りに石を投げて消していく・・・。

未来へ向かう小学生に読ませるのに適当かどうかはわかりませんが、それを思い出す私は、「ああ、私たちも、おじいさんのランプの人ね。おじいさんのランパーだわ」と納得することができたのです。


先日のレジ袋の話に戻りますが、レジ袋の廃止は確かにエコでしょう。
そして誰も「レジ袋産業の人は失業なの?」という心配はしていないように見えます。
時代が流れ、生活が変わることによって、必ず「おじいさんのランパー」たちが生まれてしまう。
それはしかたのないことなのです。
農業や漁業やお豆腐やさんがなくなったら困りますが、多くの仕事は時代とともになくなってもしかたがない。

そして、いよいよずっとずっと書きたかったオチにやってきましたよ。

沖縄の基地問題を語るとき、「基地従業員の人の生活はどうするの」「軍用地料で生活している人はどうなるの」と、まるでそのために基地が必要だというような意見があります。

はい、その答えはちゃんとあります。
「それ以外で働きましょう。仕事は無くなるものですよ」
(基地がなくなったほうが、あの広大な土地を使えるわけだから、仕事に就ける人は多くなるはずよ~)

コメント

_ PFC ― 2009年03月01日 07時37分32秒

「農業や漁業やお豆腐やさんがなくなったら困ります」・・・その困ったことが起きています。貿易の自由化のために。

「多くの仕事は時代とともになくなってもしかたがない」・・・どういう時代にするかを決めるのは一部のお金持ちなのでしょうね。

ヒラリーが日本に来た目的は、基地問題をアメリカに都合よく展開させるためだったんですって。

要約すると世界経済を立て直すために日本は絶滅してくれ・・と言われているようなものでしょうか。れれれのおじさん(財務相のこと)は、それにOKって言ったわけですね・・・。

_ ばるタン ― 2009年03月01日 14時33分01秒

◆PFCさん
ヒラリーさんが来ていたとき、ずっとドキドキしていました。ニュースを見るのが怖くなって、バラエティーやお笑いを見てしまう・・。ってどうよ。

日本が絶滅するのは、私にとってはのーぷろぶれむなのですが、アメリカが望んでいるのは世界経済なんかではなくて、あくまでも自国の軍事中心の経済でしょう。
アメリカと日本が滅んだら、少しはまともな世の中になると思わずにいられません。
時々、沖縄本島について絶望的な気持ちになって、「でも、宮古、石垣があるからいいか!」と突然楽観的な気分になったりしますが、宮古の友達に聞くと、また、そこでも絶望的なことが起こっていたりするらしいです。

_ PFC ― 2009年03月02日 07時30分54秒

宮古で起きている絶望的なことって・・・。
怖いけど聞きたい・・・。

平良夏芽さんはお元気でしょうか?
全く消息が聞かれなくなってしまいましたね。

_ ばるタン ― 2009年03月02日 10時43分57秒

◆PFCさん
どこでもそうだと思いますが、いいところと悪いところは表裏一体で、そこそこ良ければそこそこ悪くてすみますが、すっごく良ければ超悪いことにもなるよなあ、と友達の話を聞いていて思います。
友達は宮古気質が濃厚で、いつも熱くいつもまっすぐにぶつかっていくタイプ。
この人に出会ったことは私の人生の大ラッキーになりました。

私も、ここのところ辺野古にもなかなか行けなくて、たんすにジュゴンやふきんも、行く人にことづけてしまうことが多くなってます。みんな元気かな・・・。

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