差し入れはだめよ2009年04月02日 23時53分37秒

友達の姪っこさんが専門学校に進学するので、アパート探しを手伝ってほしいと言われました。

欠員が出たための繰り上がり合格なので、入学の日が迫っています。
あちこちの不動産屋に電話し、安いアパートからお高めマンションまで、勝手に3つの候補を決めて、二人が沖縄に来るのを待ちました。

那覇空港で出迎えて、さっそく候補のメモを見せると、姪っこさんは学校のすぐ近くのマンションに心を動かされた様子で、いろいろ質問されました。

「フローリングですか?」
「知りません。その点に興味が無かったので聞いてません」

「トイレとお風呂は別ですか?」
「聞いていません。それが大切な要素とは思いませんでした」

おお~、全然かみ合いませんわ。
アパート探し手伝いの人選を誤ったのでは???

でも、お部屋を見せてもらうと、姪っこさんは一瞬で気に入って、その日のうちに契約することができました。

セキュリティーが完備していて、インターホンで許可されないと入口ドアが開きません。
つまり、留守の間に差し入れをドアノブにかけたりできないんですよ。
友達の姪っこといえば、私にとっては娘と同じ。(←飛躍あり)
差し入れ責めにしようと思ったのになあ。
残念です。


姪っこさんは、余計なセールスや怪しい不審者からも守られ、
余計な差し入れや怪しいおばさんからも守られて、
新生活スタートです。

悲しき発泡スチロール2009年04月07日 16時43分39秒

ちょっと思いついたことがあって、発泡スチロールを削る私。

きちんと測らずに、適当に削る。
小学校の図画工作のとき、先生から「ばるタンはアイデアはすごくいいんだけど・・・、いくらなんでも仕上がりが汚い。もっと丁寧に作れないものかしら」と言われたことを思い出します。
はるか昔の思い出なのに、今ここで言われた言葉としても完全にピッタンコです。
あと一万年生きて、いろんな工作をしたとしても、汚い仕上がりは変わらないんだろうな。
だけどさ、どうせなら「作業はめちゃくちゃなんだけど、アイデアはいいわね」と言ってほしいものですね。


しばらく必死に削っていたら、当然のことながら、カッターも床も私も、そばにいた黒猫も、発泡スチロールの白いつぶつぶまみれになりました。


思い出がさらに湧いてきます。

詰め物と言えばおがくずだった小学校の頃、百科事典ぐらいの大きさの発泡スチロールが、何かの荷物と一緒に入ってきました。
珍しくて珍しくて、これはいったい何だろう、何に使ったらいいのだろうか、と家族で盛り上がったものです。
「豆腐の代わりに味噌汁に入れる」というのは却下されました。
枕にしてみたらキシキシと音がして、やかましいということもわかりました。

祖母は、発砲スチロールにじっと手を当てて言いました。
「これはぬくい。手があたたまる」

そういういきさつで、暖房器具として祖母の部屋に置かれるようになった発泡スチロール。
いったいどういう生活なんだ、と思われるかもしれませんが、そういう祖母だったのですよ。

明治27年生まれの祖母は、アイデアが豊富で、手作業もきれいにこなし、労を惜しまず働く人でした。
そんな祖母が、発泡スチロールを見ているうちに何を思いついたのか、今となってはわかりません。
とにかく祖母は、何かの形にしようと、削ったのだと思います。

ぱたぱた・・・という音に気がついた私が祖母のところに行ってみると、発泡スチロールのつぶつぶを全身にまとった祖母が縁側に立っていて、必死でつぶつぶをはたき落とそうとしているところでした。
つぶつぶは静電気を帯びて、あっちにくっつき、こっちにくっつき位置を変えているだけで、絶対量は少しも減りませんでした。

あのあとどうやって収拾したのか、私にはそこの記憶がありません。



それから時が流れ、友人に「うちのおばあちゃんがね・・・」と、そのときの話をしたことがあります。
友人はまじめな顔で深く肯いて、「わかるわかる。そうなのよ。発泡スチロールは悲しいのよ」と言うのでした。

友人の話。
「子供の時、大きな発泡スチロールをもらってね、うれしくて、冷蔵庫を作ろうと思ったの。包丁でくり抜こうとしたら、想像したよりずっとよく切れるのね。あっという間に手までズバッと切っちゃった。もう血だらけよ」

さらに友人の話。
「つぶつぶはガムテープにくっつけて取ればいいのよ~」


そうか! おばあちゃんもガムテープを使えば良かったんだ! いいことを聞いた!と思いましたが、、あの時代の我が家にガムテープがあったとは思えません。
たとえあったとしても、ゴミを取るためにガムテープを使うなんて、きっと祖母は良しとしなかったことでしょう。もったいない、と言うに決まっています。


そんなあれこれを思い出しながら、ガムテープを大量に消費しながらつぶつぶ退治をしました。

なんとも判断のつかない変な工作が使い物になるのかどうか・・・それは今度の日曜日、国際通りで判断することになります。

路上で2時間2009年04月13日 00時58分06秒

ストリート展示

ストリートに行こうと思ったら、荷物は多いしかさばるし、「あれー、なんでこんなに重いんだ?」

しかたなく、水筒とお弁当を置いていくことにしましたが、やっぱり重い。
かさばるのも困りものです。
改良しなくては。(そのうちね)

12時に開店して2時間座っていましたが、たまに通る人たちはみんなワイヤーアートを見ていきます。
私の方は、へのへのこちゃんに引かれて来た人が、辺野古のパンフレットをもらいに来たのが唯一のお客様でした。

根性無しなので2時間で撤収。

ワイヤーアートうずまきは、カートに大荷物。
私は肩掛け大荷物。
連れだって歩く姿は、どこか路上生活者を彷彿とさせます。
いや、路上生活者としか思えない、と言った方が近いな。

やっぱりもっとスマートに改良しなくては。

でも、商品が売れないとわかったので、持っていく数を半分に減らします。
おかげで、持っていく荷物が少し軽くなります。(それでいいのか)

3つ目の爪とぎ2009年04月13日 22時59分20秒

なかなか売っていない麻布爪とぎとニャオス

おおっ!
ニャオスちゃんが新しい爪とぎに乗っている!
気に入ったのね。よかったよかった。

と思ったのはほんの一瞬だけ。

段ボール製爪とぎ(最初は使っていたんだけど、沖縄の湿度を吸って湿ったらもうだめ)
板製爪とぎ(全然だめ)
今度買ってみた麻布製爪とぎ(一瞬でだめ)

結局ニャオスの爪とぎは、今まで通り、椅子の背もたれか・・・・。
ボロボロになってきてますけど。
ニャンギラスも真似して同じ場所で爪とぎをするので、ボロボロへの進行速度が2倍になりました。
うちにある家具の中で、一番新しいのがこの椅子なのに、見た目は一番ボロ。
人間も椅子も見た目じゃないってことかな。

一年ぶり2009年04月20日 15時35分12秒

テロテアさんが眠る場所

一年ぶりに、テロテアさんのところに行きましたよ。

そしたら、去年はなかった卒塔婆が二つ立っていました。
一年の間に「ジロー」と「フクちゃん」が加わったようです。

「テロテアさんの卒塔婆もほしいな~、いややっぱりいらないかな、いやあってもいいかな」とテロテアママはいい加減に悩んでいました。

テロテアさんに持ってきたクッキーを、ジローとフクちゃんにもお供えしました。
(もちろんそのあと全部ぴぐモンが食べました)
テロテアさん、ジロー、フクちゃん、ぴぐモンが加わるのを待っていてね。



テロテアさんとぴぐモンは、2ヶ月に一度、一緒に動物病院に行っていました。
2ヶ月分のフィラリアの薬をもらい、ついでに先生にモシモシ(聴診器)してもらうのです。

動物病院のドアは、われさきに押し合いへし合いしながら入るテロテアさんとぴぐモン。
待合室で我に返って、診察室に入るのは尻込みします。

ある時、テロテアさんをモシモシしていた先生が、「あっ、テロテアさん、心臓の音が変わりました」と告げました。
テロテアさんの心臓は、弁が弱くなり、それを補おうとして心臓肥大になっていたのです。
その日から、テロテアさんは、心臓の薬を飲むことになりました。

それから2年以上、テロテアさんは、壊れそうな心臓を大切に大切に使い、使い切ってくれたのでした。



テロテアさんが、まったくご飯を食べられなくなったとき、「点滴で栄養をとったらどうだろう」と病院に連れて行きました。
テロテアさんは全身脱力していて、どこを持ち上げても、重さがそのまま手に乗っかる状態になっていました。
抱っこして歩くと、歩く振動でテロテアさんの全身が揺れました。

でも、テロテアさんは、元気だったときから、脱力ごっこができていました。
散歩の途中でぱったりと横たわってしまい、取り囲んで揺すっても揺すられるまま。
「テロテアさん、死んじゃいやー」とみんなでげらげら笑ったりしていたので、通りかかった人はさぞびっくりしたことでしょう。

元気なときも、そして「多分、そろそろお別れなんだろうな」と思わざるを得なくなっても、脱力したテロテアさんを抱っこすると、その感触は、「ふふふ・・」と思わず満面の笑みになってしまうほど気持ちがいいのです。

疲れた人を集めて、テロテアさんを抱っこさせたら、その気持ちよさにみんなニコニコ笑って家路につくのではなかろうか、とテロテアママとよく話していましたが、テロテアさんのその特殊な能力は、最後の最後まで健在で、最後の数日の抱き心地はほんとうに素晴らしかったのでした。



病院で、テロテアさんをそっと診察台に横たえると、先生は体重を量りました。
「この前より、400グラム減りました。順調に減っています」
この前来たのは3日前のことでした。このまま順調に減ると、テロテアさんは体重ゼロになってしまうな・・・と私はぼんやり思っていました。

先生は、栄養注射をしませんでした。
「栄養を入れても、消化するのにエネルギーが必要なのでかえって衰弱するおそれがあります。お水を含ませてあげてくださいね」
そして、病院中のスタッフを呼びました。
アニマルナースさんや受付のスタッフ全員が、診察台に横たわるテロテアさんを取り囲み、テロテアさんの全身を撫でさすり、覆い被さって頬ずりしながら、「テロテアさん、いいこね」「えらいね」「テロテアさん、立派だよ」「かっこいいね」と口々にほめてくださったのでした。


テロテアさんの心臓が、そっと静かに止まったのは、その2日後のことでした。
テロテアママに抱っこされて、お水を含ませてもらっていたときでした。



テロテアママは今でも言います。
「まさか死ぬとは思わなかったよね」

「思ってたよ!」
と私は答えますが、ぴぐモンの時にはきっと逆のやりとりをすることでしょうね。