別れられない2010年02月12日 22時31分46秒

本棚の整理を何年もしていなかった。
新しく増えた本は適当に突っ込まれ、乱雑をきわめているし、長年のホコリも気になる。
ここはひとつ、いらない本を処分してすっきりしましょう。

棚の奥には、大量の文庫本が横積みになっていた。
「うわー! 字が小さい! きっともう読み返せないよ・・・。あと10年くらいしたら処分するかも」
本に関しては、どうも思い切りが悪い。

でも、仕分けをしているうちに、気がついたことがある。

「絶対手放せない本は、ずっと私について来てくれた数冊ではないだろうか」

まず、これだ。
本といえるかどうか・・・。
中学1年からのおつきあい「世界の名曲303」

「世界の名曲303」
中学の教材です。
音楽の授業時間ではなく、ホームルームのときに歌ったので、3年間一緒に通学した。
お弁当の汁が染みて、長い間、甘辛い匂いがしていたが、さすがに今は匂わない。

旺文社文庫は、文庫のくせに箱カパーに入っていた。
駅前の本屋で父に買ってもらったときに、「高いなあ」と思った覚えがあるが、110円。
当時、どれだけ理解できたかは不明だが、夏目漱石「硝子戸の中」と「私の個人主義」はずっと私についてきた。
昭和42年からのおつきあいです。
長い付き合いの本の皆さん

牛島龍介「水平線の少年」は、ヨットの航海記だ。航海記なんだけど、牛島さんの航海は自分の心の奥へ奥へと進む。
世界一周を目指した航海だったが、ヨットが壊れたために南アフリカに入港する。私はこの本で初めてアパルトヘイトを知ったのだ。
昭和50年から一緒にいます。

赤瀬川源平「少年とオブジェ」は、文章が好きで好きで、声に出して読んで楽しんでいた。

ささき・まき「やっぱりおおかみ」は、子供向けとは思えない絵本だ。救いがあるようなないような結末だが、ずっと私の支えになってきたのだ。

こいつらだけ残して、あとの本は処分しようかな。
あっと、手塚さんの本は当然残さないとね。
25年前の沖縄道路地図? これは使えないけど面白いから取っておこう・・・。

結局あまり減らないなあ・・・。

コメント

_ KIRICKL△ND ― 2010年02月13日 08時57分32秒

「ささき・まき」ですか。「佐々木マキ」ですね、いま。
『ぶたのたね』のオオカミにそっくり。

「水平線の少年」とは、ね。
私の書棚に(納屋ではなく)残っています。

初文庫は岩波の「坊ちゃん」と「吾輩は猫である」です。
★一ついくらで、量り売りみたいな印象でした。
10歳になる前だったと思うのですが、旧仮名旧漢字にルビを振ってもらって読みました。
これもまだ残っていますよ。『作品』の間に挟んでおこうかなぁ。

_ ばるタン ― 2010年02月13日 22時53分26秒

◆KIRICKL△ND さん
「水平線の少年」をお持ちだとは、私もびっくりですが、KIRICK兄やんもびっくりされたことでしょう。
「犬と私の太平洋」と共に、何回引越してもついてきてくれました。

私は、子供用の文学全集で「坊ちゃん」と「吾輩は猫である(抄)」を読みました。猫の全部を読んだのは岩波文庫です。
で、その本がまだ手元にあるのですよ。上下2冊で各★3つです。ここまで長くつきあったのだから、お棺に入れてほしい。いや、この本で焼かれたいと思います。

_ こなみ ― 2010年02月14日 12時55分13秒

沖縄は雨でも暖かかったなあ・・・
と しみじみしながら 寒い部屋の片付けを始めています。
今、休刊中の雑誌「うるま」
かなりあるので、今、処分しないと部屋がまた狭くなる・・・
と思いつつも、なかなか捨てきれません。

「やっぱりおおかみ」は
幼稚園の子どもたちも好きで
よく読みました♪

_ ばるタン ― 2010年02月14日 23時40分25秒

◆こなみさん
こちらはすっごく頑張ってあれこれ処分していますよ~
頑張っているんですけど・・・ハムスターのケージは捨てて回し車を残したり、なかなか思い切れません。

「やっぱりおおかみ」は子供たちに人気だったんですね。
今度私にも読んでください。「け」って。

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