苔よさらば2010年12月22日 21時33分04秒

ある夏の日。
前日に雨が降って、ベランダは濡れていました。
ゴムぞうりで、ベランダに出てプランターを見ていました。
そのとき、ゴムぞうりがずるっとすべり、私は180度開脚をするところでした。
足下を見ると、すべった跡がはっきりついていました。

うちのベランダは、いつの間にか面積の半分くらいが苔におおわれていたのです。
苔の生えたところは、バナナの皮を敷き詰めたのと同じで、ぬるっとすべります。

ふと、疑問が生じました。
「どこのベランダも苔が生えているのかな?」

失礼を承知で、ベランダから身を乗り出して、斜め下のお宅を見てみると、見える範囲のお宅はすべてコンクリートむきだしで白いままです。

「うちだけ苔が生えている・・・」
ちょっとびっくり。

打ち水をするとすずしいだろうと思って、洗濯排水をベランダに流しまくったことがあります。
おそらくそれが原因で、苔が生えたのだろうと考えました。

雨のあとなど、少々生臭いのですが、「ま、いいか。すべらないように気をつけよう」と放置することにしました。
うちの団地では、公園を潰して駐車場にしてしまったので、苔といえども貴重な緑です。


夏のおわりに、カニゴンがやってきました。
当初、カニゴンには、ケージの中だけで暮らしてもらいました。
しばらくして、少しずつケージから出しました。

そうしたら、部屋のあちこちでおしっこしちゃうわけです。
おしっこしそうな気配があると、あわててベランダに運んだりするのですが、間に合わないとおしっこを垂れ流しながら運ばれてしまう。

一度おしっこした場所は、またやるかもしれないので、ペットシーツを敷いて防御することにしました。
すると、また新たな場所でおしっこするので、ペットシーツはだんだん増えていきました。
ピーク時には、12、3枚のペットシーツが部屋のあちこちに点在する、変な居住空間になったのです。

しかし、カニゴンは偉かった。
すごくおりこうです。

カニゴンにとって、最初、「おうち」はケージだけであり、ケージ以外の座敷は「外」だったのですね。
だから、おうち(ケージ)から出たら、おしっこOKだと認識した。
でも、ケージから出て暮らすようになると、座敷も台所も「おうち」になり、ベランダが「外」だと納得してくれました。

今度はベランダ全部がトイレになり、現在に至っております。

カニゴンは、おしっこの回数も、ウンチの回数も多かった。
ウンチを取り、バケツで水を流し、トイレブラシでこすります。

ふと気がつくと、苔で緑だったベランダが、白くなってコンクリートむきだしです。
毎日毎日、トイレブラシでこするたびに・・・苔を少しずつ削り取っていたのでした。

苔がなくなって寂しいような・・・
すべらないベランダになってホッとしたような・・・

苔はまずくて食べられない、と聞いたことがありますが、ベランダをこすっているときのにおいも「実にまずそう」です。
青臭い、というか、生臭い、というか。
まずいかどうかよりも、「絶対食べたくない」と思います。

でも、また条件が揃えば、苔のベランダに戻ることでしょう。
それまで、しばしのお別れです。