W杯雑感2006年07月15日 12時39分53秒

ついに、ドイツとの時差を超えられないまま、ワールドカップが終わってしまいました。
結局、早起きできたのが、日本対ブラジル戦のみ。

3位決定戦の時は、カーン様の最後のお姿を見ようと、早起きしたら早すぎた。
まだ始まるまでに時間があったので、シャワーを浴びて身を清めたら、さっぱりと気持ちがよくなった。

カーン様がんばってねー、と寝っころがってドイツ国歌を聞いたまでは覚えているが、次の瞬間はなぜか2時間後だった。
時空がゆがんでいたのね。

決勝戦は絶対見るぞと、リベンジを誓ったのだが、根本的に日時を間違えていた。
「今日はちゃんと寝て、明日早起きすればいいのよね」と、ぐっすり寝て起きたらすべてが終わっていた。
あり?

というのが私のワールドカップ2006だったのでした。


ところで、不思議なのが、ジダンの頭突き退場についてであります。
「身内を侮辱されたのだからジダンの行動は仕方ない」とか「当然だ」という人が多いのが、どうしても解せない。

サッカーのルールもよくわからない、ただのミーハーの私の意見なので、まあ、そこはそれなりに読んでくらさいね。

「頭突き→退場」
サッカーの試合で取り上げられるのは、この点だけでいいと思う。

「侮辱された内容→頭突き→退場」
ここまで遡って語っていたら、有史以前まで遡ることだってできる。
「恐竜だったときに卵を取られた」から話し出すと、面白いけどキリがないです。


98年のフランス大会で、イングランドとアルゼンチンが対決したときのことだ。

アルゼンチンのシメオネに執拗にからまれた、イングランド代表の若きベッカムは、倒されてうつぶせになっていた。
そこにシメオネが来たので、足を伸ばして「けりっ」とやってしまった。
だけど、うつぶせの状態だったから、相手にダメージを与えたわけではない。
でもそういうときは、大げさに転ぶのがお約束。

ベッカムは即退場。
イングランドは負け、チームがイギリスに戻ったときの新聞は、「10人の英雄と1人のバカが戻った」というものだったそうです。

あのときのベッカムは、世間から「バーカバーカ」と叩かれまくった。
でも、叩かれたベッカムは、そこでくじけることなく、4年後のワールドカップでは立派な選手になっていた。

そして、ああ、なんと!
イングランドとアルゼンチンが同じ予選グループ!
ベッカムだけでなく、シメオネもちゃんとアルゼンチンの代表選手だった!

マンガみたいなシチュエーション。
そしてまた、ピッチで激しく競り合う因縁の二人!

成長したベッカムは、相手の挑発に乗ることなく、ついにシメオネの反則でフリーキックとなった。
ドラマだったら、ベッカムの脳裏に4年間のつらい思い出がフラッシュバックするシーンであります。

うひゃー、ドキドキ。

ベッカム蹴ったあああああああ!
ごーーーーーーーる!!!!

特殊なプレッシャーに打ち勝って、ベッカムが点を入れたのだ。
カメラはベッカムを追い、一瞬シメオネの顔も追った。
あなたたち! 4年間の壮大なドラマをありがとー!って感じでしたわ。

こういうものすごいドラマを用意できるのであれば、相手選手への暴力も許す。
そのかわり、叩かれるのを覚悟してやってくれい、と思うのだ。


だから今回の、引退を決めたジダンでありながらの頭突き退場というのは、あまりにもお粗末な気がする。
ジダンのお粗末以上に、ジダン擁護の風潮を理解できない。

夫がらモンに、「どーして? どーしてベッカムのことは非難したのに、ジダンはいいの? どーして?」と熱く訴えると、がらモンは言った。

「世間の男はハンサムにはきびしくて、ハゲには同情的なんだ」