水道橋にて ― 2008年12月05日 11時34分55秒

行きつけの動物病院に向かって車を走らせていると、数知れないほどのレジ袋を肩からも両手からも下げて歩いている人を見かけることがある。
路上生活をしているらしいその人のことは、特に気になる。
なぜなら、その人が女性だからです。
最初は、「お気の毒に。どういう事情があったのだろうか。どこで夜を過ごしたのだろう」と思うだけだった。
そんな脳天気な私も、ジュンチャンとか呼ばれた総理大臣が就任してからというもの、路上生活の人々を見る目がはっきりと違ってきた。
私もそうなるかもしれない。
あれは私の先輩にちがいない。
思わぬ病気や怪我、何げない借金、どうしようもないアクシデント、そして失業。
私を路上生活へ導く道は、首相が代替わりするにしたがって、はっきりと広くなっていくのを感じている。
路上生活者の一部には、社会生活や人間関係を断ちたいというタイプもいるだろう。
でも、私のように、社会や人々の中で暮らしていきたいと強く願っていても、路上生活への可能性は、年々、日々、刻々と高まっているとしか思えないのだ。
路上から屋根のあるところに戻りたい人には、支援や手助けをしたい。
それは、路上に行かざるを得なかった将来の私が、支援や手助けを受けられたらどんなに助かるだろうと思うからだ。
そういう支援方法があると、噂には聞いていた「ビッグイシュー」。
沖縄では(というか、私が出歩く範囲では)見たことがなかったけれど、さすが東京でございます。水道橋駅を出たところで売っていました。
販売員を希望する路上生活の人は、まず、ビッグイシューという300円の雑誌を10冊受け取ります。
完売すれば3000円になります。
それを元手にして、次は140円で雑誌を仕入れて売ります。
雑誌の代金300円のうち、160円は販売員の人が受け取るお金です。
路上生活から抜け出す一歩にするためのこのシステムは、1991年にロンドンで始まったのだそうです。
わーい、売ってた! あっ表紙がローリングストーンズだ! 一冊ください!
販売員の人はとてもステキな笑顔でした。
でさ。
それはいいんだけどさ。
これしかお土産がないの。
全部売り切れてたのよ。
「人間60年ジュリー祭り in 東京ドーム」のグッズが・・・・。
ジュリーが歌った80曲の曲名が入っているというプログラムを買いたかったんだけどな・・・。
でも、6時間のライブがあっという間に感じるほどで大満足だったから、それ以上の贅沢は言わないことにしましょう。生のジュリーはテレビよりずっとかっこよかったしね!
NHK「日本の、これから」裁判員制度 ― 2008年12月08日 13時57分58秒
6日、NHK「日本の、これから」は裁判員制度についてでした。
私は夕方からのバイトだったので、録画予約をして出かけました。
放送は2部に分かれていて、最初は模擬裁判のドキュメント、次にスタジオでトークです。
やっと今、前半の模擬裁判を見ることができました。
抽選で集められた6人の人が、ほんとうにあった事件を元にした裁判に臨みます。
殺人現場の写真や、凶器のナイフを見せられ、被告の人と間近で向き合う裁判員。
被告の親の涙を見、被害者の遺族の怒りを聞き、「死刑」か「無期」か、と悩むのです。
6人の裁判員がそれぞれ悩まれた末に、多数決で死刑の評決になりました。
そして、量刑を言いわたすときも、裁判員は被告と向き合う席に座ります。
私にとっては、テレビを見ているだけなのに、過程の全てがつらいものでした。
裁判員の人たち、よく頑張ったなあ・・・私だったら最初っから最後までわんわん泣いていたと思います。
模擬でもこんなに大変なのだから、本物の裁判だったら、私は壊れます。
人にはそれぞれ、出来ることと出来ないことがある。
ワタシにも出来ることはありますよ。
たとえば、もつれた糸を少しずつ糸巻きに巻いていく、とかね。
なぜなら、ワタシのあこがれは、映画「初恋の来た道」に出てきた、目の不自由なお母さんなんです。
あのお母さんは、手さぐりで機織りの横糸を巻いていたではありませんか。
ワタシも目が見えなくなったら、すずめのメンバーのために手さぐりで糸を巻きたいですよ。
そんなワタシの人生に、人を裁く要素はこれっぽっちも入ってこないでほしい。
それに加えて、冤罪だった場合に裁判員が見極められるかどうか、甚だしく疑問が残るとも思いました。
この模擬裁判ドキュメントは、裁判員に選ばれた人たちの真摯さにとても好感が持てましたし、臨場感が伝わってきて、ベストな番組でした。
後半のトークも近いうちに見ます。
「日本の、これから」裁判員 その2 ― 2008年12月11日 14時19分10秒
バイト先でずっと、お金を触っているせいか、妙に手が荒れてきました。
売り物のニットに指のガサガサが引っかかって困るので、尿素の入ったクリームを買うことにしました。
薬屋さんで「○○をください」と、テレビでCMしている商品名を言う私。
薬屋さんのご主人は、「こちらにあります」と案内してくれました。
そして、「これもこれも同じような成分です。○○はテレビのCM代が入っているので値段が高いです」と教えてくれました。
非常に納得して、一番安いのを購入しました。
「日本の、これから」のトーク部分も見終わりました。
現在、裁判に関わっている方たちが、今の裁判を信用していないような発言をされておられたのが印象的でした。
「裁判官と検事はペアで仕事をしているから信頼関係があるけれど、弁護士はそうじゃない」とおっしゃった裁判官の発言には目がパチクリしました。
正直なのか何なのか・・・。
もしかして、本気で、「お願い、市民の常識を教えて~」と思っているのか?
裁判員制度は、世界の多くの国で行われているそうですが、どの国でも死刑は廃止されているとか。
裁判員に選ばれた市民が「死刑」の評決をするのは、日本だけだそうです。
どうせ3年後に見直すのだからとにかくやってみよう、という意見と、3年後に見直さなくてはいけない制度と最初からわかっているのならもっと煮詰めてからにしてほしい、という意見がありました。
私は、市民が参加することについては、民主主義の理想だし、希望かもしれないと思っています。
でも、なぜ、重要な刑事事件から始めるのかがわからない。
市民感覚が大事だというのなら、政治家の汚職事件を担当させてほしい。
そんなことをいろいろ考えさせてくれる番組でした。
私に裁判員の通知が来たかどうか・・・守秘義務があるので書きません。
チーム・味噌汁の栄光 ― 2008年12月21日 23時39分27秒

手前味噌を自慢するために、突然結成されたチーム・味噌汁。
カセットコンロとお鍋を車に積んで、大度海岸に出かけました。
大度海岸は、沖縄本島南部のダイビングスポットです。
沖縄戦末期に激戦地だった場所でして、今でも霊のみなさんが大勢いらっしゃると思われます。
しかし、沖縄にカジノを作るという靴投げモノの計画があり、その候補地の一つにもなっています。そういう神経にホトホト呆れかえりますわ。
泡瀬干潟の埋立も、どこをどう誤って考えれば経済効果になるのか。
パークアベニューはシャッターアベニューになっているし、ミュージックタウンはゲーセンになろうとしているではありませんか。
地面に廃墟を作るだけでなく、わざわざ埋め立てて廃墟を作りたいらしい。
貴重な干潟やサンゴを死滅させながら。
大度海岸にカジノ。
泡瀬干潟に廃墟。
辺野古に米軍基地。
いや、すごい。悪魔でもなかなか考えつかないほどの環境破壊ですね。
チーム・味噌汁は、地道にサンゴの調査をしている「沖縄リーフチェック研究会」のみなさんに、無理やり味噌汁を飲ませるために出かけたのでした。
お魚やタコは(イカも)身軽なのに、ヒトが水に潜るためには何やらあれこれ装備が必要なのですね。
プールから上がるのも体が重くて大変なワタシには、理解できない重装備です。
しかも、その重装備のまま崖を降りてさらに遠浅の海を歩いていくのです。
これはつまり、帰ってくるときには、重装備のまま疲れた体で遠浅の海を歩き、崖を這い登らなければなりません。
想像しただけで萎えるワタシ。
リーフチェックのみなさんと一緒に泳ぐのは、魚に生まれ変わったときでいいや、と固く心に決めました。
みなさんが調査から帰ってくるのを待ちながら、チーム・味噌汁はいつしかチーム・味見に。
当初の目的を大きく逸脱して、せっせと鍋の中身を減らしておりました。
そんなチーム・味噌汁ですが、きれいな参加賞をいただいてしまいました。
おやつの「ムギムギ」で隠していますが、ちゃんとワタシの名前が入っています。
味噌汁のために飛行機に乗ってきたこなみさんの暴挙っつーか物好きパワーによって結成された、急ごしらえのチームでしたが、また、どこかでカセットコンロと鍋を持って出没できたらいいな、と思います。
またもや円高 ― 2008年12月24日 01時44分49秒

寝ようと思ったら布団の上に白黒だんごが出現していました。
・・・・それにしても、でかいです、末娘ニャンギラス。
円が高いとか、ドルを売買するとか、株価がどうしたとか、そんなことで大騒ぎになって、ひいては庶民の生活を脅かしたりする・・・このシステムがさっぱりわかりません。
額に汗して働かないヒトが、世の中を動かしてんじゃねーよ!と思います。
私が沖縄に来て働き始めた会社では、始業前と3時の休み時間に、全員がそれぞれのマグカップでインスタントコーヒーを飲む習慣がありました。
座る場所もありませんので、おしゃべりしながら立って飲む。
そのひとときが、とても楽しかったのでした。
コーヒーの銘柄はいつも決まっていて、「テスターコーヒーの赤ラベル」です。
沖縄では絶対的人気だったテスターコーヒーですが、私にとっては初めて見る銘柄で、「う~ん、ここはアメリカだ・・・」と思ったものです。
ついでに言うなら、マヨネーズの主流銘柄は「瓶入りエゴードレッシング」でした。まさしくアメリカです。
練乳は「ワシミルク」。イーグルの絵がついているのでこう呼びます。商品はアメリカなんだけど沖縄の精神が宿るネーミングでございます。
コーヒーを買うお金は、みんなで出し合います。
順番に回ってくる集金係は、買い物係も兼ねていました。
会社から一番近いスーパーだと、テスターコーヒーが1580円。
でも、少し足を伸ばすと、農協スーパーがあり、そこでは1480円でしたので、「安い!なんてありがたいお店なんだ!」と感激して買うのが常でした。
時は流れ、バブル期の円高のときには、480円に値下がりしたテスターコーヒーを、めまいがするような気持ちで見つめたものです。
三分の一のお値段だけど、一度に3杯は飲めないし。
米軍基地のそばに並んでいた、横文字看板のおみやげ物屋さんが、どんどんさびれていきました。
きれいな車はYナンバー(基地関係者のナンバー)、ボロ車が地元の車だったのが、みるみる逆転しました。
しめしめ・・・と思ったんですよ。
このままだと、米軍基地がやっていけなくなって、撤退するだろうな、と。
まさか、おもいやり予算で乗り切るとは。
私の考えは、ワシミルクのように甘かったのね。
そういえば、最近、ワシミルク買っていないなあ。
まだ、あるのかな? あるよね???
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