テロテアさんふぉーえばー ― 2009年10月06日 13時51分01秒
テロテアさんとテロテアママ
朝の散歩は、ゴミを拾いながら団地を一周すると決めているのですが、夜の散歩コースはいろいろあります。
最近は、ぴぐモンが散歩コースを選ぶようになりました。
シニアになって強情になったのか、「今日は絶対こっち!」と譲らない。
ぴぐモンは、普段わがままを言う犬ではないので、散歩コースくらい好きに選んでいいよ、とおまかせしています。
先日、ぴぐモンが主張したのは、「テロテアさんのおうちに行く!」ということでした。
えええ~?
それ、散歩コースのどこにも入っていないですし、散歩じゃないですよ。
マンガの貸し借りなど用事のあるときに、「テロテアさんのおうちに行くよ」と私がぴぐモンを促すことはあるんだけど、ぴぐモンから「行く!」と言ったのは初めてです。
「お留守かもしれないよ。行く用事はないし。いつも通り散歩しようよ」と説得を試みたものの、ぴぐモンはリードをぐいぐい引っぱって、テロテアさんのおうちに進んでいきます。
「しょうがないなあ。じゃ、アポなし突撃訪問しちゃおう」
テロテアさんのおうちは、玄関ドアを5センチくらい開けていました。
テロテアさんと一緒に散歩するために、毎晩お迎えにきていた勝手知ったるよそのうちです。
あの頃も、よく玄関が少し開いていた。
開いたすき間から中を覗くと、奥の座敷でみんなはテレビを見ていて、テロテアさんは手前の板の間でスフィンクスポーズで微笑んでいることが多かった。
テロテアさんの姿を見つけたぴぐモンは、心からうれしそうにシッポをブンブン振る。
無言のまま、シッポを振り続ける。
しばらくすると、テロテアさんがぴぐモンに気がつく。
静かに立ち上がってゆっくり玄関ドアまでやってきたテロテアさんも無言のままだ。
ふたりは5センチの隙間から見つめ合って、満面の笑みでただ静かにシッポを振り合うのだ。
あのふたりの姿をもう一度見たいなあ。
あの頃はくすくす笑いながら見ていたけど、今見たらどれだけ泣けちゃうことだろう。
テロテアさんがもういないので、隙間からのぞいたりしないで、すぐにピンポンを押します。
「ぴぐモンがどうしても来たいって引っぱったから来ました」
ぴぐモンは玄関を開けてもらったら、さっさと部屋の中へ入って、妙にくつろいでいる様子です。
テロテアママ「じゃテロテアさんがいるんじゃない? だって、今日すっごくすっごく久しぶりにテロテアさんのところ(土にかえした場所)に行ったのよ。ついてきたのかもね」
不思議な偶然のお話です。
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