第一発見者はワタシ2011年04月01日 13時27分57秒

夕方の散歩は、団地を出て川沿いの道を行くのが常です。
でも、ぴぐモンは、いつもと違って「こっちに行く!」と団地内一周コースを選びました。
団地を歩いていると、軽貨物車から何かを取り出そうとしている作業着のお兄さんがいました。
出してきた物は、蛍光灯の傘です。ペンダントとかいうのかも。
それを1階の部屋に運び入れました。

「ぬぬっ。アヤシイ」
そこは空き部屋だった部屋です。
(毎日散歩するので、1階の空き部屋については把握している私)
この時期に入居するということは、被災の人に違いありません。

ぴぐモンとふたりで、窓の方からコッソリ様子をうかがう。
玄関側に回って、コッソリ中をのぞく。
アヤシイのはどっちだ、ってことですが。

そのあたりを無意味にウロウロしていると、先ほどのお兄さんが出てきたので聞いてみました。
「もしかして被災のかたが入居されたのですか?」
「はい、福島の原発の近くからだそうです」

先日の新聞に、こういう記事が出ていました。
「沖縄県は県営住宅や市営住宅などの空き部屋を提供しているが、鍵を渡すだけでそのあとのフォローが何もない場合がある」
うちの団地は、フォローがないほうの住宅だったので、「自治会の役員は把握しているのかな? 何か必要な物があるのでは?」と思いました。

すぐさま自治会の役員のお部屋に駆け込む。
「被災の人が入居してるけど知ってた?」
「えっ! 全然聞いてないよ! そのうち入ることになるはずだから共益費はもらってください、という連絡があっただけだよ!」
共益費のことがそんなに大事なのか・・・、と心が逆断層する(意味不明)。

「布団とかあるのかな?」
「お茶碗とか余っているけどな」
「訪ねていってみようよ」
そこへ団地からよそに引っ越す人が必要書類をもらいにきて、「げげっ! 粗大ゴミでいろいろ出しちゃったけど、使ってもらえる物あったかな」
「えーっ、なんであんた引っ越すの」
「それがさー、急に決まったのよ。地震の日に」
ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ・・・・。

ぴぐモン「さっさと訪ねて行けばいいのに・・・」


それから小一時間は立ち話をしたあとで、やっと訪ねていきました。
布団は沖縄県から支給されたこと、友達を頼って沖縄に来たので、友達からお茶碗などをもらうことができたことなど。
「入居希望の人がたくさんいるので、沖縄県はパニックになっていてお気の毒でした」
被災の人に同情してもらって、どうするんだ沖縄県。


いつもは枕にされるのが僕だけど・・・
カニゴン「いつもは僕が枕にされてばかりだけど、誰かを枕にすると気持ちいいんだね、おねえちゃん」
ニャンギラス「むかっ」

納豆ないってね2011年04月02日 10時56分20秒

実家の方では納豆が手に入らないらしいです。
毎朝、納豆とお魚と残り物のおかずを食べていた義兄はさぞ悲しい思いをしていることでしょう。

送ろうか?と言うと断られましたが。

ほうれん草のニュースを見たびにほうれん草を買っていたのですが、今日は納豆を買いました。
このパッケージは初めてだわ。
スーパーの納豆売り場で「ま、負けた!」と思いましたわ。
買わずにいられないですよ。

ネーミングに脱帽
テーブルのうしろのごちゃごちゃは気にしないように。

ニャオスと納豆
ほら、ニャオスちゃんそっくりなかわいい猫ちゃんだよ。
ニャオス「ほんとだ。だけどお尻に置かないで!」

女神さま登場2011年04月03日 23時26分22秒

今日は、月に一度の団地掃除の日でした。
ゴミを拾ったり草を刈ったりするのです。
いつものメンバーの中に、見慣れないお兄さんがいてせっせと働いてくれていました。

「あのお兄さんは誰?」
「新しく入った人?」
「聞いてみよう」

おばさんたちなので、すぐに聞く。
「どこの部屋ですか?」
「○階の○○です」
「いくつなの?」(なんでも聞く)
「25歳です。去年の10月に入居して、掃除に出るのは初めてです」
若い! 若いわあ! 一同めちゃくちゃ盛り上がる。
「あい! 学生さんかと思ったさー。何年生って聞くところだったさー」
「若い男を見るのは久しぶりだわ~」(やまんばか?)
「私は○階の○○です。どっちかというとビール派」(どういう自己紹介だよ)

おじさんたちも黙ってはいない。
「野球部に入らんね」(団地の野球部はシニアしかいない)
「入団テストをやろう」
びっくりする青年。「テストがあるんですか?」
「やっぱり酒が飲めないとね」(結局それかよ)

青年に6ヶ月の女の赤ちゃんがいることなどを聞き出しているのと並行して、今度の津波は団地の何階の高さまで来たのかという話になった。
「団地の6階あたりだろうな」
「団地ごと倒れるかもね」
「で、赤ちゃんはなんて名前なの?」
「のあ、です」

ええ? ノアの方舟のノアちゃん!

全員の顔がぽわ~っと明るくなった。
「津波が来ても、私たち、大丈夫じゃない?」
「そうよ。のあちゃんがいるんだもん」
「のあちゃんは女神だね」

団地もきれいになったし、根拠のない安心感に包まれて、いい気持ちで解散した。


コロコロ大好き
うちの猫はコロコロが大好き。
コロコロを出したとたんに「私をコロコロしなさい」と飛んでくるニャンギラス。
掃除したいんですけど・・・。

節電しましょ2011年04月04日 21時58分04秒

何年か前のことです。
桜坂劇場で映画を見て、ロビーに出た私が見たものは。
絵に描いたようなオタクファッションに身を包んだ大勢の人びとでした。
いやあ、びっくりしましたよ。
オタク体型、オタク髪型、そしてオタク雰囲気というものがあるんですね。
オタクのみなさんは、2階のホールで上映される映画を見るために並んでいたのです。
静かな行列は、階段を埋めつくし、桜坂劇場から外にあふれて、道を隔てた公園の中を進み、いったいどこまで続いていたやら。
沖縄にこんなに大勢のオタクのみなさんがいたのか!と感動しましたよ。
「いったい何の映画を見ようとしている人たちなの?」と振り返ると、「エヴァンゲリオン」の看板がありました。

今、若い人々が、「ヤシマ作戦」と名付けた節電に励んでいると、テレビで知りました。
「ヤシマ作戦」とは、エヴァンゲリオンのお話を元にしているのだそうです。
電気を使う戦いに、日本中が停電して必要な電気を集めたことからだとか。

私があの日、桜坂劇場で見た人たちも、きっと一生懸命ヤシマ作戦に参加しているに違いありません。

エヴァンゲリオンを知らない私も、オタクのみなさんたちに遅れることなく、作戦に参加しようと思います。
コンセントせっせと抜いてますよ~。(DVDだけは、時間の設定が消えちゃうので抜きませんが)

ニャオスの寝姿
私は電気なんか使わない。寝てたらいいのよ。

基地と原発2011年04月05日 23時05分51秒

沖縄から、津波の被災地にボランティアで入った人のことをテレビで見た。
その人は、見渡す限りがれきが続く景色に、思わずつぶやいていた。
「・・・戦争みたい・・・」

戦争を知らない若い人でも、沖縄の人は戦争に結びつけてしまう。

以前、竜巻が乗用車を吹き飛ばしたとき、目撃者が「戦争が始まったかと思った」と言っていた。

基地があるために、沖縄の人は、「いつか戦争になるのでは」というストレスを抱えているのだろう。

原発のある町でも同じことだ。
普段は考えないようにしていても、「いつか事故が起きるのでは」というストレスを持ち続けているのだろう。

福島第一原発が水素爆発を起こしたとき、近くの病院の職員さんは、「断熱材のかけらがバラバラと降ってきたときは、もうだめだ、と泣きました」と言っていた。
安全だと説得されて原発を受け入れてみたものの、内心では常に恐怖を感じていたのだ。

基地も原発も、体に悪い。