連絡がとれない2011年04月11日 23時07分04秒

福島に住んでいる友達と、連絡がとれない。
高校を出て、入社した職場の先輩だ。
色白で、落ち着いていて、大人の女性に見えてあこがれた。
結婚した彼が福島の人で、当時の言葉で寿退社。それからずっと年賀状のやりとりが続いている。

「まだ働いているよ」
「犬を飼ったよ」
いつもそんな一言が書かれていた。
「リストラされちゃった。また仕事をさがしてます」
それが今年の年賀状だった。

30年以上年賀状を書いてきた(今でも私は住所は手書き)ので、地理はわからないが町名は覚えていた。
ニュースで福島が出るたびに、「町名が違うから、彼女のところではないな。彼女のところは被害が少なかったのだろう」と思っていた。

ふと、気がついた。
「町村合併で、町名が変わっていたはずだ!」と。
年賀状を見たら、数年前から住所の表記が変わっていた。

「南相馬市」

ぎゃっ!と飛び上がって、地図を調べる。
彼女のおうちは、津波被害のボーダーライン。
加えて福島原発20キロのボーダーラインだった。

電話をかけてみた。
呼び出し音が鳴るが、誰も出ない。

どこに避難したんだろう・・・。
けがをしたり家族をなくしたりしていないだろうか・・・。
津波から逃げたのなら、友達の住所禄なんか持っているはずもない。
彼女から連絡がくることは望めないし、私が手紙を出しても届かないだろう。

もう年賀状のやりとりが途絶えるのかな。
そして、二度と連絡がとれないのかな。

なんだかとても、よるべない気持ちだ。