もう充分2009年01月15日 23時45分47秒

私は、うちから一歩も外に出ないでチマチマしているのが性格に合っているので、テリトリーが非常に狭い。
スーパーとすずめとバイト、たまに図書館。
せっかく沖縄に暮らしているのにもったいない!と、沖縄フリークの人なら思うことだろう。
たまに、内地から友達が来ると、車でお出かけして、それはそれで楽しい。
楽しいんだけど、悲しくもなる。
やりきれない気持ちになることが非常に増えてきた。
「何ー?この道路! あれ?ここに赤瓦のおうちがあったのにパチンコ屋になってる! あ!丘を削ってる! きー!!」


1982年、私が那覇に来たときは、街並みがごちゃごちゃしていてきれいとは言えなかったし、野菜クズの腐った匂いが友達で、天井をさかさまに歩く巨大なゴキブリがルームメイト。

だけど、海はきれいだった!
路線バスに乗って、終点で降りる。
バスの終点から、延々と坂道を下って新原(みーばる)ビーチに向かう。
その海の輝きを表現する言葉を知らない。
こんなにきれいな海に、私が足なんか入れてもいいの?と思うほどだった。
遠浅の海を少し歩くとサンゴ礁があり、色とりどりの小さな魚がサンゴの周りを泳ぎ回っていた。
あの海を見せてあげたい、と心底思う。

街は確かに清潔になった。
道路が整備され、便利になった。
少しの雨で水没していたところも、下水が完備されたので安全だ。

だからさ、もう、充分。
こんなに上等になったんだから。
これ以上、道路を作らなくてもいいし、自然の砂浜を護岸にしなくてもいいし、わざわざ海を埋め立てなくてもいい。
私たちがするべきことは、地球上の貴重な自然環境に頭を垂れ、両手を合わせて拝むことではないのか。

新原ビーチの停留所が海のそばにできたので、あんなに歩く必要はもうない。
だけど、見せてあげたい海がもうないんですよ。
波打ち際は赤土でどろっとしている。
ガラスボートに乗って、ずーっと沖に行かなくては、魚を見ることができないんです。



泡瀬干潟の埋立工事が始まってしまいました。
KEN子さんのブログ「KEN子の黄昏日記」にリンクします。
コメント、署名、その他、何でもよろしくお願いします。