映画「ONE SHOT ONE KILL」2010年01月22日 13時41分55秒

日本は64年間、戦争をしていない。
でも、ひっきりなしに戦争をしている国もある。
アメリカは、ベトナム戦争のあと、「もう戦争はこりごり」と思ってもおかしくないと思うのに、それからも戦争をやめない。
徴兵制のなくなった今は、経済的に苦しいおうちの子が軍隊にリクルートされるのだという。
若い子を手っ取り早く前線に送り込むために、薬物も使うと聞いた。

ある夕方、犬と散歩に出ると、道路が奇妙に渋滞していて、パトカーが見えた。
「事故かな?」と近づいて行くと、パトカーの向こうに米軍車両が停まっていて、車線を1本塞いでいるのだった。

嘉手納や普天間基地の近くだったら普通のことかもしれないが、このあたりでは、あまり見かけない風景だったので、携帯で写真を撮る。
ぱしゃ。
米軍車両
撮るな!と言われそうな気がして、かわいい愛犬を撮っているふりをする。
ぱしゃ。
便宜上の被写体
うーん。かわいいっ!
うちのこかわいいっ!

さらに歩いていくと、米軍車両が2台、なぜかお尻とお尻でお知り合い状態になっていた。
なぜか逆向き車両

どう見ても20歳にはなっていないピンクの肌の若い兵隊さんが2人いた。
一人は車から出たり入ったり電話をしたりケーブルを出してみたり、黙々と働いている。
もう一人はというと・・・車から出たり入ったりしながら、両手両足をわけもなくじたばたさせて大声で叫び続けているのだった。

どこから来た子なんだろう。
東の果てのこんな小さな島に連れて来られて、正気をなくしてるなんて。
働いている子は、叫び続ける同僚の方を見ようともしていなかった。


その場所を通ると、「あのイッちゃった子はどうなっただろう。もう一人の生真面目そうな子は?」と思うことがある。故郷に帰ることだけがすべてではないけれど、殺したり殺されたりしませんように、と願わずにはいられない。


映画「ONE SHOT ONE KILL」は、海兵隊の新兵訓練を取材したドキュメンタリーです。
藤本幸久監督は、辺野古の取材をずっと続けておられますが、戦争をする国アメリカの実態に迫る撮影も同時に進めてこられました。
完成した映画は、まず、沖縄から上映されますので、全国のみなさんはしばらくお待ちください。

「ONE SHOT ONE KILLー兵士になるということー」は桜坂劇場(←リンクしました)で明日から上映されます。23日、24日は、最初の回の上映前に監督のトークがあるそうです。

もう1作品、なんと上映時間が8時間にわたるドキュメンタリー「アメリカー戦争する国の人びと」も桜坂劇場で、2月6、7日の2日間の上映です。
間に2回の休憩があります。