飛行機でワープ2009年10月04日 20時40分09秒

甘えんぼニャオス

ニャオス近影。
タカビーなお姫様ですが、隠れ甘えんぼでもあります。



さてさて、北海道旅行です。
札幌に義妹が住んでいるので、義母を連れて行く機会に恵まれました。
義母はあまり歩けないので、車椅子押し係として任命されたのです。

ドラマでは、包容力のある沖縄のオバーがよく登場しますが、実際の沖縄オバーはアレですよ。自分ワールド全開で、反省もしないし学習もしない。どこへ行っても周りを見ないで突き進む最強キャラが多いのではなかろうか。長生きするはずでございます。

北海道には飛行機を乗り継いで行きます。
大きな荷物は預けて、義母は小さな巾着、私はショルダーバッグだけになりました。
空港では、係の人が車椅子を押してくれるので、至れり尽くせりです。
ただ、車椅子で検査の門をくぐると、当然金属が反応するわけで、係の人がめちゃくちゃ恐縮しながら義母のボディチェックをしていました。
(車椅子の老人を装って、実はテロリストだったりしてね)とあらぬ妄想にひたったそのとき。

きんこんきんこんきんこん・・・・。

誰かの手荷物が激しく金属に反応しています。
係の人が、眉をひそめて取り上げたのは・・・、義母の巾着ではありませんか。
な、何???

巾着からすべり出てきたのは、長さ20センチほどあるハサミでした。
(うわっ、ホントにテロリストだったのか)
固まる人々。

「あい、飴の袋が手で開けられないから、ハサミを持ってきたさー。なんで?いけんの? 最近の飴はみんな一つずつ袋に入っていて・・」と説明する義母をさえぎって「すいません。処分してください」と独断で決める私。

搭乗口に向かいながら義母の説明は続く。
「いつも飴の袋をハサミで開けるさーねー。そしたら友達の○○さんが、ハサミ使わなくてすむように、ひねって包んである飴をくれたさー。今日はそれを持ってきたさー」

じゃ、ハサミ必要ないじゃん。おかしい。おかしすぎる。


飛行機のドリンクサービスがこれまたおかしい。
ジュースをもらうと、義母は「甘い! なんねこれ! なんでこんなに甘いの!」
「じゃあ、私にください」
「いや、飲むけど」
飲むんかい。

次は、コーヒーをもらいました。
義母は「熱い! 濃ゆい! なんねこれ!」
「じゃあ、薄めましょう」
持っていたペットボトルの水をだぼだぼ足すと、ちょうどよくなったようでした。
(水のペットボトルは必需品だな)と肝に銘じる私。

私はスープをもらいました。
義母は私のスープをのぞきこんで「なんねそれ。汁だけなの? 何で具がないの? 具も入れてもらえば?」
・・・そうきたか。
ドリンクから話を逸らそう。
「今日泊まるのは有名な温泉地のホテルですよ」
「ベランダーはあるの?」

ホテル+ベランダ=ホテルの部屋の構造、と思うようでは、沖縄のオバーとは話ができません。
話は常に時空を超越してワープしていくのです。
私もワープについていきます。
「ラベンダーが満開の時期は6、7月らしいですよ」
ワープ成功!

「じゃ、琵琶湖には行けるの?」
び、琵琶湖? ワープの道筋が見えない・・・・。

「・・・琵琶湖は、北海道にはないですよ・・・」
「あ、そうね。テレビでしょっちゅう琵琶湖が出てくるから、北海道だと思ったさー」
不条理劇みたいなセリフでございます。

北海道もいいけれど、沖縄オバーの脳内旅行は、実にスリリングなのでした。