ヤマトと呼ばれた日 ― 2006年10月15日 08時10分01秒
「沖縄にいると日本がよくわかる」という言葉を見聞きします。
わかるような、わからないような言葉でしょ?
私が、「うわーホントだ、沖縄にいると日本がよくわかる!」と思った出来事を書きます。
沖縄に流れ着いた20年以上前のことです。
セルフサービスの食堂で、お盆を持って並んでいると、後ろに並んでいたまったく知らないおじさんから「あんたはヤマトゥーか」と言われたのです。
(ヤマトゥー?)
(ヤマト?)
(大和? 大和は国のまほろば?)
(奈良県?)
ちがいますよ、と答えようとした瞬間(ああ、沖縄以外の日本人のことね)と、乏しい脳味噌回路がつながって(←遅っっ)、
「あっああっ、いえっはっはい」みたいなわけのわからない答えをしてしまいました。
おじさんは「やっぱりヤマトゥーか」と言ってぷいっと横を向きました。
その頃、「外人と言わないでほしい」という外国人の人たちの意見が新聞に載ったりしていました。
実は私も、(でも、ガイジンだよなあ・・・)と思ってピンときていなかったのです。
「ヤマトゥー」というレッテルを貼られた瞬間に、
私がどこで生まれ、どこで育ち、何を考え、何を大切にしているか・・・などなど、「私を構成しているすべて」を全部無視されたような気持ちになりました。
同時に「私=日本人代表」なの???みたいな余計なプレッシャーも感じました。
日本に来て「ガイジン」と言われた人の気持ちって、これか!と納得できました。
ちっちゃいところにいるのに、自分たち以外を全部ひとまとめにして考えてしまう滑稽な日本がよくわかった瞬間でした。
そして、こういうこともわかりました。
知らない人から言われると、何だか不愉快になる言葉であっても、お友達になった人から言われたら全然不愉快でも何でもないということです。
沖縄の言葉はどんどん変化していきます。
「ヤマトンチュ」という言葉に代わって、あっという間に主流になったのが「ナイチャー(内地の人)」です。
ですので、「ヤマトゥー」と言われたあのときの経験は、大変貴重なものになってしまいました。
だいたい、オレンジレンジに「ヤマトくん」がいる時代ですしね。
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