戦前!2006年01月19日 23時50分20秒

「たんすにジュゴン」には3種類の染料を使います。
たまねぎの皮は数人で集め、月桃は手織舎すずめの庭から取ってきます。
フクギは、ご近所の生け垣からコッソリともぎ取らせていただいているので、だんだん心苦しくなってきていました。

今日もまた、フクギの葉をどこから収集しようか、考えておりました。

個人のおうちより、もうちょっとパブリックなところがいいなあ。
はしごだの高枝切りばさみだのと数々のアイデアをいただいた、大きなフクギにしようかな。
公園の木だし。
でも、近いから、やっぱり生け垣のフクギにしようっと。
と、考えた意味が全然ないまま、いつもの生け垣にGO!

濃い緑色の葉をぽきぽき折り取ります。
この前、かなりの雨が降ったのに、フクギの葉は土ぼこりだらけ。
表面の葉だけは雨で洗われますが、それ以外の葉には雨が全然当たりません。
そのくらい密集しているのです。

取っていると、お庭におばあさんが出てきました。
グッドタイミング!

「フクギの葉っぱを少しもらっていいですか。染め物に使います」
「染め物に使うの? 葉っぱでも染まるの?」
「はい。きれいな黄色になります」
「戦前は皮を使ったよ。皮を煎じて染めたさー」

うわー、戦前!

久しぶりに、ナマで聞いた単語です。

皮を煎じたお鍋はどんなお鍋?
かまどは?
何を染めたの? 綿? 絹? 糸なの布なの?
その時おばあさんは娘さん? 若奥さん?

いろんな「?」が同時に頭に浮かんで、軽いパニックになりました。

「これからも時々もらっていいですか」
「いいよー。どんどん使いなさい」

これで晴れて堂々と取り放題です。
戦前の話も聞きたいな。