思わぬ結末 ― 2007年04月08日 23時40分33秒
今日は雨の中の散歩でした。
新芽がつやつやと輝いています。
しっとりと濡れたアカギの幹が美しく、抱きついて一体化したくなりました。
ちょっと、ちょっと、と言いたくなることがあっちもこっちも次々に湧いてきます。
煮えたお鍋をおそるおそる覗いているような気持ちです。
ですので、脈絡もなく、中学の時の思い出を書きます。
中学の卒業間際、みんな進学や就職が決まったので、授業をしても気もそぞろ。
先生の配慮で、女子はバレーボール大会、男子はサッカー大会で一日を過ごすことになった。
バレーボールは9人制。1クラスから2チーム出場する。
私のクラスは、偶然バレーボール部が多かった。
バレーボール部と運動神経のいい子を集めてAチーム、残りのどうしようもない子でBチーム、ということになった。
トーナメント方式なので、チーム編成をした時点で優勝候補である。
私は当然、残りカスBチームに配属されてみんなのお荷物になるはずだったが、捻挫していたために線審係になった。
Bチームは順当に負け、Aチームは自信満々、やかましく相手を馬鹿にしながら順当に勝ち進んだ。
そして、決勝戦。
相手チームのメンバーを見て、私は目を疑った。
9人の真ん中に、バレーボール部長だったCさん。
小柄で細っこい、無口で生真面目な人だ。
その周りに8人、背の高い子を揃えたチームだった。
背も高いけど、横幅も育って、運動をさせたらドタドタしてみんなのあとをやっとついてくる子。
大きな体が目立たないように、クラスでもおとなしくて、手芸部とかに入っている子。
そういう子ばかり8人だ。
「何、あのチーム」
「もう勝ったも同じよ」と私のクラスのAチームは口々に言ったし、私もそう思わざるを得なかった。
ところが、試合が始まると、「このやり方で決勝まで来たのか!」とビックリしながら納得することになった。
サーブが入ると、Cが拾う。
そして「○○さん」と指示する。
○○さんは、ボールを高く上げる。
それをまたCが相手コートに打ち返す。
つまり、Cがレシーブとアタックと監督を一人でやっていたのだ。
運動能力の高いうちのクラスAチームは、プライドも高かった。
何としても勝たなくては、と強いボールをばんばん打ち込む。
相手チームはCの疲れが限界に来ていた。
しかし、Cが疲れて動きが鈍くなってくると、8人がドタドタしながらもフォローするようになっていた。
Cの指示を待つことなく、汗もだらだら、顔も真っ赤にして、しゃにむにボールに向かう。
普段、運動なんかしたことがないので、手足バラバラの変な格好になりながら、ボールを追う。
普段、切れのいいかけ声なんかかけたことがないので、「ふぎゅぐ」とか変な声を出しながら、必死だった。
そしてついに、接戦に次ぐ接戦だった試合は、相手チームの粘りがまさってゲームセットになった。
バレーボールという競技は、相手から来たボールを相手に返し続けたら、いつかは勝つのね、と頷く私。
悔し泣きにくれるAチームを慰めようと駆け寄る私だったが、思わず相手チームをほめてしまいヒンシュクを買ったものだ。
今でも、「いい試合を見たなあ」と思い出す。
誰一人想像しなかった結末もあるんだよなあ、とうれしくなるのだから、Aチームのみんな、ごめんね。
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