安心したい2007年04月16日 23時52分12秒

動物病院待合室

8年前、私には悩みがあった。

ぴぐモンがお世話になっていた動物病院の、二人の獣医さん(イケメン^^;)が次々に辞めてしまったのだ。

「この子拾ったので診てください。お尻から虫が出ます」
と、泥だらけのぴぐモンを運び込んだとき、ぴぐモンの顔をじっと見て、「・・・かわいい・・・」と言ってくれた先生だったのに・・・。

トリマーもしてくれていたアニマルナースもいなくなった。

二人の獣医さんを追い出すように、院長の息子が診察するようになったのだが、こいつがどうも信頼できない。
気のせいか、待合室も汚れとホコリが目立つようになっていた。


病院を替えたいけれど、どこがいいのか・・・。
ヒトの病院のことなら、誰かに聞けばいいが、動物病院に詳しい人など周りに一人もいない。
しかも、あまり遠くない場所、という必須条件もある。


そんなある日、ぴぐモンとテロテアさんを連れて、ワンニャン里親会の会場を通りかかると、ワンニャンに埋め込むマイクロチップの説明をしていた。
特殊な機械をかざすと、チップに書き込まれた飼い主の連絡先がわかるので、迷子のワンニャンが無事におうちに戻れるという。

ぴぐモンもテロテアさんも、放し飼いをしないし、散歩のときもリードを放さない。
でも、何かのはずみということもある。たとえば私が転んでリードが手から抜けたところに、がらモンとそっくりの奴が自転車で通りかかったら、ぴぐモンは大喜びで追いかけて行ってしまうに決まっている。

これはぜひ、やってもらわないと。
野良犬だったこの子たちを、再び野良犬にするなんてできません。

申し込み書を書き、お金を支払い、すぐにやってもらえるのかと思ったが、その場ではできないと言われてしまった。
マイクロチップ運動に賛同している獣医さんのところで埋め込むのだそうだ。

教えてもらった動物病院に行ってみると・・・・・。

「・・・・ち、ちっちゃい・・・・(汗)」


それまで行っていた病院は、間口がとても広く、待合室もゆったりしていた。
診察室が二つあり、ペット美容室とペットホテルも兼ね備えていた。

そういう病院を見慣れていたものだから、間口がほとんどドアの幅のみ、という狭い病院に驚きつつ、おそるおそる足を踏み入れた。
ソファなどの調度品もおしゃれとは言えない雰囲気で、イナカっぽい。

受付で、マイクロチップのことを告げると、すぐに大柄な女性の獣医さんが出てきた。
そして、とても明確にチップの説明をしながら、実物を見せてくれた。

風邪の時に飲むカプセルを小さくしたようなものだった。

「これを普通の注射器より少し太い針で、首の後ろに入れます。針が太いぶん痛いと思いますが、3秒ほどで終わります」


その説明を聞いていて、(この先生はイイ! すごくイイ!)と思った。

いいことを言うだけでなく、針が太いとか、そのぶん痛いとかいうことも、堂々ときちんと言ってくれる先生なんだ・・・。

3秒もかからずに、チップの埋め込みは終わった。
ぴぐモンもテロテアさんも、何をされたのか気づいていないようだった。

私はすでに決めていた。
「これからこちらで診察もお願いします」

狭いことなど、もう何も感じなかった。

私のラッキーは、まずぴぐモンやテロテアさんと出会ったことだし、安心しておまかせできる獣医さんと出会えたことだ。


安心は、いいことばかりを並べ立てても生まれない。
誠実に状況を伝えるのが一番の近道だ。
動物病院だけでなく、国政だって同じことだろうと思う。