憲法9条の犬2007年05月05日 00時49分04秒

若いぜテロテアさん

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テロテアさんです



テロテアさんとぴぐモンを散歩させていると、子供たちが群がってきて、ハメルンの笛吹き状態になるのが常だった。

子供たちは犬にさわりたくてしかたがない。
でも、コワイ。
でも、さわりたい。

こわがりの子は、後ろからサッと手を伸ばしてさわろうとするが、気配を感じたぴぐモンが振り向いてしまう。

「ダメだよー、後ろから黙ってさわろうとしたら、ぴぐモンが怒るよ。前からゆっくり近づいてご挨拶して、やさしくイイコイイコしてね」

犬のさわりかた講座の時間になるのだが、「怒る」という言葉が子供をさらにこわがらせてしまう。
そこで、あわててフォローする。

「じゃあ、テロテアさんをイイコしたら? テロテアさん、怒らないよ」

子供たちの頭から「?」が出てくる。

「テロテアさん、怒らないの」
「怒りません」

「ぴぐモンは怒るの?」
「ぴぐモンは怒るときがあります」

「テロテアさんは怒らないの?」
「テロテアさんは、怒りません」

「・・どうやったら怒るの?」
「・・どうやっても怒りません。生まれてから一度も怒ったことがないよ」


でも、本当は、テロテアさんが生まれてから何年間かのことはわからない。
憲法9条のようなテロテアさんが、私たちの前に現れたときいったいいくつだったのか、テロテアさんに聞いてもわからないのだ。