モノ屋敷 ゴミ屋敷 42010年02月02日 23時13分46秒

友達が、長年住んだ一軒家から引っ越す準備をしている。
ご両親と兄妹の6人で暮らした家に、今はお母さんと友達と犬のモモちゃんが住んでいる。

友達のお母さんはモノを捨てない人で、友達が捨てたゴミを、また家に持って帰ってきたりする。
押入れを開けると、古いモノがたくさん出てくるのだそうだ。
商品券の束が出てきたのだが、留めていた輪ゴムがとろけてひっついているとか。だいたい今、デパートに持っていっても、誰も見たことのないデザインだから使えるかどうか。
贈答品のシーツ、バスタオル、タオルケットが箱のまま出てくるけど、その数が半端じゃない。
シーツ塚やバスタオル塚が家の中に存在していたわけだ。

「父親が入院したとき、バスタオルを用意してくださいって言われて、何枚も買ったのに、こんなにたくさんあったとは」
「私も母も穴の開いたシーツとボロボロのタオルケットを使っているというのに」
「ホコリが目に入って目がかゆい。ホウ酸も出てきたから目を洗おうと思うんだけど使えるかな。すっごく古そう。雲母状なんだけど」

友達が自力で整理するのは大変だ。
物置は、壊れた家電製品でいっぱいなのだと言う。
モノ屋敷というより博物館に近いかも。

「本はかなり売ったよ。だけど雑誌は5年以上経ったら廃棄だって言われた。『詩とメルヘン』と『月刊絵本』がたくさんあるけど、廃棄されるのはもったいないよね。ほしい人いないかな」

詩とメルヘンは、やなせたかしさんが主宰していた雑誌で、月刊絵本は永田萌さんの表紙が印象深かった。30年くらい前の本だ。

もったいない! 高く売れないかな。やなせさんがお亡くなりになったら高騰しそうだけど・・・という私に、友達は冷静だった。

「だけど、私たちのほうが、やなせさんより早く死ぬよ」
・・・・ごもっともです・・・。