奇跡を埋めないで2008年08月06日 23時58分23秒

元・干潟

緑の部分は、マングローブの林です。(写真はクリックで拡大します)

うわあ、すごい、さすが沖縄!と感心するのはちょっと待ってくださいね。
このマングローブは、たった15年でこの林に成長したのです。

この場所はかつて、すべて干潟でした。
季節になれば、渡り鳥が干潟を埋め尽くすほど飛来していました。
干潟のはじっこに、ボランティアグループがマングローブを植えていましたが、うまく生育しませんでした。
「マングローブって、成長が遅いのね」と私は思っていました。

15年前、橋がかかってから、潮の流れが変化したのでしょう。
橋脚がじゃまをして、潮が行きわたらない場所が出てきたのだと思います。
朝夕、新しい潮が満ちては引いていく、絶妙なバランスの元に、干潟は存在できるのです。
橋脚1本でも、そのバランスは壊れてしまうのです。

見渡すばかりの干潟だったはずなのに、ふと気がつくと、渡り鳥はほとんど来なくなりました。
そして、マングローブがみるみる増えていきました。

この変化を、「ボランティアグループが、マングローブを植えたからだ」と言う人がいますが、それは大きな間違いです。あるいは、悪質かつ意図的な責任転嫁です。
植林をした場所には、どういうわけか、今でもマングローブが生えていません。
私の住んでいるところからは、それがよく見えるのです。

干潟を人の手で作ることはできません。
橋を一つ架けても、無くなってしまう干潟。
そんな奇跡のような場所を埋め立てる工事に耐えかねて、沖縄市泡瀬では座り込みが始まっています。


今日はヒロシマに原爆が落とされた日。
広島市長の平和宣言、「核兵器は廃絶されることにだけ意味がある」という言葉は、なんと正しく美しいことでしょうか。

辺野古、高江、泡瀬・・・中止されることだけに意味のある工事が、沖縄にはたくさんあるのです。

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コメント

_ ruru ― 2008年08月09日 10時35分59秒

泡瀬は私が幼少の頃育った場所です。
確かに泥海で海水浴の出来る海ではありませんでしたが貝をとったり小さな海老を追っかけたりと夢中で遊んだものです。
小中学校の春の遠足は殆ど泡瀬の海での潮干狩りでした。

私の小学校の担任でとても尊敬していた先生が埋立賛成派の中心になっているのを聞きとてもショックを受けています。
私はどんな理由があるにしろこれ以上の埋め立ては無意味だと思っていますので。

_ ばるタン ― 2008年08月09日 23時21分54秒

◆ruruさん
沖縄の干潟がどんどん埋められたりして消滅しています。
泡瀬の埋立計画がされた時は、こんなに温暖化の脅威が身に沁みていなかったはずです。
とにかく全部の計画をいったん止めて、50年そのままにしてそのあとあらためて考えたらいいと思います。

ruruさんはじめ、当時の小中学生達の思い出の場所なんですね。これからの小中学生達にも残してあげないといけないですね。
先生は、遠足の引率の時、干潟にお財布を落としたか何かしたのかしら????で、干潟がきらいになったとか・・・^^;;;;

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_ リーフチェッカー’さめ’の日記 - 2008年08月07日 01時31分36秒

泡瀬干潟で座り込みが始まりました。連絡会の穏やかな人たちがどのような想いでいるのか考えると苦しくなります。結局、何の力にもなれなかったと。参照;過去エントリー◆2008.4.28の泡瀬干潟◆明日朝、泡瀬に集合!◆泡瀬干潟のサンゴ産卵◆夜の海の散歩開始その他;◆泡瀬干潟

_ リーフチェッカー’さめ’の日記 - 2008年08月07日 19時14分50秒

お待たせしました!!!web署名のご案内です(8/31まで) http://www.shomei.tv/project-97.html(管理 by KEN子さん)みなさま、引き続きご協力お願いいたします!先のエントリーでもご紹介した紙ベースの署名ももちろん有効です (同じく8/31締切)。沖縄県には漁業調整規

_ リーフチェッカー’さめ’の日記 - 2008年08月09日 13時02分52秒

救え・沖縄泡瀬干潟とサンゴ礁の海写真展のお知らせ日時:2008年8月8日(金)~20日(水)平日 10:00~19:30 土曜 10:00~17:00休館 日曜日、月曜日会場: 地球環境パートナーシッププラザ(03-3407-8107)150ー0001 渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F地下鉄銀座線