心を閉ざした野良犬を拾う方法を伝授する-第2弾2005年10月03日 23時30分06秒

保護したてのヒナゴン
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保護した次の日のヒナゴン


ケースその2・ヒナゴンの場合

夜9時、スーパーから帰って、エレベーターホールに足を踏み入れると、そこに小さな犬がいた。
「あっ、迷子かな」
駆け寄ってなでようとすると「ガウッ」と噛もうとする。
非常におびえているのだ。

ああ、どうしよう。ここはエレベーターホールだから人がしょっちゅう出入りする。おびえた勢いで誰かを噛んでしまったら大事になってしまうよ。

困っていると、ここウルトラ団地に住んでいる高校生が通りかかった。
「何してるの?」
「犬がいるんだけど怖がっていて近づけないの」
「しょーがないなー。おばさんどいてて」

彼は、エレベーターホールに入ると、犬に語りかけた。
「ぽち、どうしたんだ。こんなところで。おなかすいてないか。ぽち・・・」

犬の様子を見ながらほんの少しだけ進む。
犬がいやがるそぶりをちょっとでも見せたら、惜しげもなく下がる。
優しい優しい声で話しかけながら。

近づいたり離れたり、事態がなかなか進展しないので、私は家に戻って連絡を待つことにした。

「身柄確保!」の連絡が来た時は、すでに12時を回っていた。

行ってみると、犬は彼にしっかりと抱かれて思いっきり甘えている。

「えっ、これ、さっきと同じ犬なの?」
と思わず確かめてしまったほど、顔つきが違う。毛のつやもピカピカできれいな色になっている。
さっきは体全体でおびえていたのだろう。

彼が犬とかなり近づいた頃には、ギャラリーも数人集まっていて、「今だ、捕まえろ!」などと声援が飛んだそうだが、彼は「まだまだ」とギャラリーを制したとのことだ。

そして、完全に安心したのを見極めて差し伸べた手に、犬が身を預けてきたのだという。

保護した犬がどうなったかは明日に続きます。

コメント

_ 桃太郎 ― 2005年10月04日 09時11分09秒

おおー文章に、引き込まれてしまった
はやく続きが知りたい
ところで ばるタンさんのさんって無しでいいですか?

昔、ばあちゃんが わたしのこと あけタンと呼んでいたので あけタンさん というのもおかしいので…

_ みんと ― 2005年10月04日 14時12分48秒

うるうるです。よかったね、ヒナゴンさん。
感動させてもらったよ、高校生。
ヒナゴンさんのその後、待ってます。

_ ばるタン ― 2005年10月04日 23時18分01秒

>桃太郎さん
>みんとさん
私のつたない話を読んでくださってありがとう。
ばるタンのタンは、あけタンのタンだと思ってください。
だから基本的にはばるタンに「さん」はつけなくていいのです。
でも、「ばるタンなんか、自分の親より年が上じゃん」という気がしている人は、それなりでいいです。
私の祖母は、数多い孫の中のひとりだけには「○○くんさん」という呼び方をしていたけど、いったい何だったんだろう・・・。

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